本サイトにはプロモーション(広告)が含まれます

住宅ローンが残った家は売れる?残債と売却の関係、返済が苦しいときの任意売却まで

「ローンがまだ残っているから、この家は売れない」——そう思い込んで、住み替えや実家の整理を諦めている方は少なくありません。

結論から言うと、住宅ローンが残っていても家は売れます。条件はただ一つ、「引き渡しまでに抵当権を抹消できること」。そしてこの条件は、売却代金でローンを完済できる場合はもちろん、完済できない場合(オーバーローン)でも、やり方次第で満たせることがあります。

この記事では、残債がある家を売る基本の仕組みから、返済が苦しくなった場合の「任意売却」という選択肢まで、時系列に沿って正確に整理します。後半は読みたくない話かもしれませんが、この領域は早く知って早く動いた人ほど選択肢が多く残る構造になっています。

大原則——「売れるか」は抵当権を外せるかで決まる

住宅ローンを組むと、金融機関はその家と土地に抵当権を設定します。抵当権が付いたままの家を買う人は実務上いないため、売却の引き渡し(決済)までに抵当権を抹消すること——つまりローンを完済することが売却の条件になります。

ここで自分の状況を2つに分類します。

  • アンダーローン: 売却見込み額 > ローン残債。売却代金で完済できる状態
  • オーバーローン: 売却見込み額 < ローン残債。売却代金だけでは完済できない状態

まず金融機関のWebやローン返済予定表で残債の正確な額を確認し、物件のおおよその売却相場と比べることが、すべての出発点です。

アンダーローンなら——通常売却でそのまま売れる

残債より高く売れるなら、話はシンプルです。実務では「同時決済」といって、買主からの売却代金の受領、ローンの完済、抵当権の抹消、所有権の移転を決済当日に一括して行います。司法書士が同席して登記手続きを担うのが通常で、売主が事前にやることは、金融機関に売却の意向を伝えて完済手続き(一括繰上返済)の段取りを確認しておくことくらいです。

オーバーローンの場合——4つの選択肢

売却代金で完済できない場合でも、道は複数あります。

  1. 差額を自己資金で埋めて売る: 不足分を貯蓄等で補い完済すれば、通常売却と同じです。
  2. 住み替えローンを使う(買い替えの場合): 新居のローンに旧居の残債を上乗せして借りる商品。審査は通常より厳しく、借入額が膨らむ点は要注意ですが、住み替えの実需があるなら検討対象です。
  3. 売らずに返済を続ける: 返済に支障がないなら、急いで売る理由はありません。賃貸に出して返済原資にする方法もあります(ただし賃貸転用は金融機関への相談が必要です。住宅ローンは本人居住が融資条件のため、無断転用は契約違反になり得ます)。
  4. 返済が苦しいなら——任意売却を検討する: 次章で詳しく説明します。

返済が苦しくなったら何が起きるか——競売までの時系列

任意売却の説明の前に、何もしなかった場合の時系列を押さえます。これを知っているかどうかで、動くべきタイミングの理解が変わります。

  1. 滞納1〜2ヶ月: 金融機関から督促の連絡。この段階なら、返済条件の変更(返済期間の延長など、いわゆるリスケジュール)を金融機関に相談できる余地が十分あります。
  2. 滞納3〜6ヶ月前後: 「期限の利益の喪失」——分割で返済できる権利を失い、残債の一括返済を求められます。多くの場合、保証会社が金融機関に残債を立て替え払い(代位弁済)し、債権者が保証会社等に移ります。なお信用情報機関への事故情報(いわゆるブラックリスト)の登録は、一般に長期滞納や代位弁済の時点で行われます。
  3. 競売の申立て: 債権者が裁判所に競売を申し立て、裁判所の執行官による現況調査などを経て、入札・開札へと進みます。
  4. 競売での売却: 競売の落札価格は一般に市場価格を下回りやすく(物件によりますが大幅に低くなる例も多い)、売却後も残った債務は原則として一括請求の対象のままです。退去時期も自分では選べません。

任意売却とは——債権者の同意を得て市場で売る正規の手続き

任意売却とは、オーバーローンの状態でも、債権者(金融機関や保証会社)の同意を得て抵当権を外してもらい、通常の市場で売却する方法です。「任意」という言葉や一部の広告の印象から裏技のように見られることがありますが、債権者の合意に基づく正規の手続きです。債権者にとっても、競売より高く回収できる可能性があるため応じる合理性があります。

競売と比べた主な違いは次の通りです。

  • 価格: 市場で売るため、競売より市場価格に近い水準で売れる可能性が高い。売却額が大きいほど残る債務も減ります
  • 残債の扱い: 売却後に残った債務は消えませんが、債権者との間で現実的な分割返済を交渉できる余地があります(条件は債権者・状況により異なります)
  • 生活への影響: 引き渡し時期にある程度の交渉余地があり、競売のように物件情報が公告されることもないため、周囲に知られにくい
  • タイムリミット: 制度上は競売の開札直前まで取り下げの余地がありますが、買主探しと債権者調整に時間がかかるため、実務上は早く始めるほど成立の可能性も交渉の余地も大きくなります

注意点も正直に書きます。任意売却は債権者の同意が前提なので、必ず成立する方法ではありません。また、信用情報への登録は滞納・代位弁済の段階で既に行われるものであり、「任意売却をしたから登録される」わけではない一方、「任意売却をすれば登録を避けられる」わけでもありません。そして残念ながらこの領域には、高額な着手金を先に求める、過大な引越し代の保証をうたうなど、困窮した状況につけ込む悪質な業者も存在します。費用体系が不透明な相手、判断を急がせる相手は避けてください。

動くべきタイミング——「滞納してから」ではなく「苦しいと感じたとき」

この記事で一番伝えたいのはここです。選択肢の数は時間とともに単調に減っていきます。

  • 返済が苦しいと感じた段階なら: 金融機関へのリスケ相談、通常売却・住み替え、賃貸転用の相談——全部の選択肢があります
  • 滞納が始まった段階なら: まだリスケや売却の余地があります
  • 期限の利益を失った段階なら: 任意売却が現実的な軸になります
  • 競売の開札が近づいた段階では: できることはほとんど残っていません

「金融機関に相談したら一括返済を迫られるのでは」と不安で連絡を避ける方が多いのですが、実際には滞納前の相談に対して金融機関は条件変更の協議に応じるのが一般的です。連絡を絶つことのほうが、状況を最悪のルートに進めます。

まとめ

ローン残債は売却を妨げません。問われるのは残債と売却額の関係と、動き出すタイミングだけです。相続した実家にローンが残っていた、住み替えたいが残債が不安、返済が苦しくなってきた——状況がどれであっても、まず「残債の正確な把握」と「物件の現状整理」から始まります。

当サイトの「家じまい診断」では、ローンの状況を含む6つの質問で、お持ちの物件の売却難易度と取りうる選択肢の傾向を無料で確認できます。誰かに相談する前の、最初の状況整理としてお使いください。

家じまい診断をはじめる(無料・約1分)

関連記事: 実家じまい完全ガイド / 空き家を放置するとどうなる?


※本記事は不動産売却に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の物件の査定や売買の媒介、法律・税務相談を行うものではありません。返済条件の変更・任意売却の可否は債権者との協議によって決まります。債務の整理を含む判断は、弁護士・司法書士等の専門家にもご相談ください。

まずは現状の整理から

あなたの家の売却難易度を
60秒でチェック

無料診断をはじめる

無料・匿名/個人情報の入力はありません

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の物件の評価や税務・法務のアドバイスを行うものではありません。具体的な判断にあたっては、宅地建物取引業者などの専門家にご相談ください。