不動産の「買取」と「仲介」の違い|価格・期間・向いている家をわかりやすく比較
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公開日: 2026年7月7日
家を売ると決めたとき、最初に出てくる分かれ道が「仲介で売るか、買取で売るか」です。どちらも不動産会社に相談する点は同じなのに、価格も期間も手続きもまったく違います。そして、どちらが正解かは物件と事情によって変わります。
この記事では、仲介と買取の仕組みの違いを整理した上で、価格・期間・手間・リスクの4つの観点で比較し、それぞれが向いているケースをまとめます。
仲介と買取は「誰が買うか」が違う
2つの方法の違いは、突き詰めると「誰が買主になるか」の一点です。
- 仲介:不動産会社は売主と買主の「間に立つ」役割。会社が広告や内覧対応を行い、市場で個人などの買主を探します。買主が見つかって初めて売買が成立します
- 買取:不動産会社自身が買主になり、直接その会社に売ります。買主を探す期間がなく、会社が提示する条件に合意すればそのまま契約に進みます
仲介は「市場で買い手を探すオークションに近い売り方」、買取は「業者への直接売却」と考えると分かりやすいでしょう。買い取った会社は、リフォームや再整備をした上で再販することを前提にしています。
4つの観点で比較する
価格——仲介が有利。買取は市場価格より低くなる
一般に、買取の価格は仲介で売れた場合の7〜8割程度になると言われます。買い取る会社はリフォーム費用・保有コスト・再販時の利益を見込んで値付けするため、市場価格との差はビジネスの構造上避けられません。
ただしこれはあくまで「仲介で買い手がつく物件」を前提にした比較です。老朽化が進んだ家や訳あり物件のように、仲介では買い手がつかない・そもそも取り扱いを断られる物件では、「仲介の想定価格」自体が絵に描いた餅になり、買取が実質的に唯一の売却手段というケースもあります。
期間——買取は数週間、仲介は数ヶ月
仲介は、売り出しから成約まで3〜6ヶ月程度かかるのが一般的な傾向で、買い手がつかなければさらに延びます。成約後も買主の住宅ローン審査などで引き渡しまで1〜2ヶ月かかります。
買取は買主を探す期間がないため、条件が合意できれば数週間から1ヶ月程度で引き渡しと現金化まで完了するケースが多く、「相続税の納税期限が迫っている」「住み替え先の支払いが決まっている」など期限がある事情に向いています。
手間——内覧・残置物・近所の目
仲介では、購入希望者の内覧のたびに立ち会いや掃除が必要で、家財が残ったままでは売りにくいため片付けも先に済ませるのが基本です。また、広告やポータルサイトに物件が掲載されるため、売却活動が近所に知られやすい面があります。
買取は内覧が会社の担当者による確認だけで済み、残置物(家財)が残ったまま・現況のままで引き取られるケースが多いのが特徴です。広告も出ないため、周囲に知られずに売却を終えやすい方法です。
契約後のリスク——契約不適合責任の扱い
売買後に雨漏りやシロアリ被害などが見つかった場合、売主は契約不適合責任(民法562条〜)を問われ、修補や代金減額、損害賠償を求められることがあります。
仲介で個人に売る場合、この責任を一定期間負う契約になるのが一般的です。一方、宅建業者が買主になる買取では、契約不適合責任を免除する特約を付けた契約が広く行われています。築年数が古く建物の状態に不安がある家では、「売った後に責任を追及されない」こと自体が買取を選ぶ理由になります。
費用の違い——仲介手数料と「空き家の報酬特例」
仲介では、成約時に不動産会社へ仲介手数料を支払います。上限は宅建業法で決まっており、売買価格が400万円を超える場合は「価格×3%+6万円+消費税」です(例:1,000万円なら36万円+税)。
なお2024年7月からは、800万円以下の宅地・建物について、通常の上限とは別に売主・買主それぞれから**最大30万円(税抜)**まで受領できる特例が始まりました。低額な空き家の流通を促すための改正で、安い物件ほど「手数料が割高に感じられる」構図になった点は知っておくとよいでしょう。
買取は不動産会社と直接契約するため、仲介手数料はかかりません。価格が低めに出る代わりに、諸費用と手間が圧縮される構造です。
中間の選択肢——「買取保証」という売り方
「できれば高く売りたい、でも期限もある」という場合には、**買取保証(売却保証)**という方法もあります。一定期間(3ヶ月など)は仲介で市場に売り出し、期間内に売れなければあらかじめ約束した価格で不動産会社が買い取る仕組みです。
上限価格を狙いつつ「最悪でも売れ残らない」保険をかけられる一方、保証価格は通常の買取と同水準かやや低めになる傾向があります。取り扱いの有無や条件は会社によって異なるため、対応している会社に確認が必要です。
結局どっちを選ぶべきか——判断の目安
| こんな状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 立地・状態がよく、時間をかけられる | 仲介 |
| 少しでも高く売ることが最優先 | 仲介(複数社比較) |
| 数ヶ月以内に現金化したい期限がある | 買取 |
| 建物が古く、売却後の責任が不安 | 買取 |
| 残置物が多い・遠方で片付けに行けない | 買取 |
| 再建築不可・事故物件など訳あり | 専門の買取業者 |
| 高値も狙いたいが売れ残りは避けたい | 買取保証 |
「価格」と「確実さ・早さ・手間のなさ」のどちらを優先するかがすべての出発点です。物件に売りにくい事情(空き家・訳あり・残置物・遠方)が重なるほど、買取の相対的なメリットが大きくなります。空き家を放置し続けた場合のコストは空き家を放置するとどうなる?で解説しています。
自分の家がどちらに向いているか確かめる
仲介と買取のどちらが向いているかは、物件の所在地・種別・状態・ローンの有無・急ぎ具合といった条件の組み合わせで変わります。「うちは普通に仲介で売れる物件なのか、買取に相談したほうが早いのか」——この最初の見極めがつくだけで、相談先選びの迷いは大きく減ります。
家じまい診断では、物件の状況にいくつか答えるだけで、売却の難易度がどのくらいか、仲介・買取のどちら寄りの選択肢が向いているかの傾向を無料で確認できます。氏名や連絡先の入力は不要です。実家じまいの全体像から知りたい方は実家じまい完全ガイドもあわせてどうぞ。
※本記事は2026年7月時点の法令・情報をもとに作成しています。仲介手数料・契約条件・買取の可否や条件は個別の取引によって異なります。具体的な売却の判断にあたっては、宅地建物取引業者などの専門家にご相談ください。
※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の物件の評価や税務・法務のアドバイスを行うものではありません。具体的な判断にあたっては、宅地建物取引業者などの専門家にご相談ください。