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残置物・ゴミ屋敷状態のまま家は売れる?|片付けずに売る3つの方法と費用の考え方

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家具、家電、何十年分の衣類や食器——実家が家財でいっぱいのまま、手つかずになっていないでしょうか。「片付けてからでないと売れない」と思うと、片付けの負担の大きさに気持ちが折れて、結局そのまま、という流れは実家じまいでいちばんよくある停滞です。

先に結論を書くと、残置物が残ったままでも、家を売る方法はあります。ゴミ屋敷と呼べる状態でも同じです。ただし「どの売り方を選ぶか」で、かかる費用・時間・手取りが大きく変わります。

この記事では、残置物がそのままだと何が問題になるのかを押さえたうえで、片付けずに売る方法を3つに整理し、費用の天秤のかけ方まで解説します。

そもそも「残置物」とは?なぜそのままだと売りにくいのか

残置物とは、家の中に残された家具・家電・衣類・生活用品などの動産のことです。不動産の売買契約の対象はあくまで土地と建物で、中の家財は売買の対象に含まれません。だから原則としては、引き渡しまでに売主が撤去して「空の状態」で渡すことになります。

仲介(不動産会社が買主を探す売り方)で残置物が問題になるのは、主に次の3点です。

  • 内覧で売れなくなる:購入希望者は実際に家を見て決めます。家財が詰まった部屋は狭く・暗く・傷んで見え、そもそも内覧の予約すら入りにくくなります
  • 引き渡しの障害になる:「残置物は売主が撤去する」のが原則のため、契約しても引き渡しまでに片付けを終えなければなりません
  • トラブルの元になる:「残しておきます」と口約束で家財を残すと、処分費用の負担を巡って買主と揉める典型パターンになります。エアコン・照明程度なら付帯設備表で合意して残す実務もありますが、家一軒分の家財はその範囲を超えています

つまり「残置物そのままでは売れない」は、正確には**「仲介では、残置物そのままだと売りにくい」**です。売り方を変えれば前提が変わります。

方法① 片付けてから仲介で売る——高く売れる可能性を優先

立地に需要があり、時間と費用をかけられるなら、片付けてから仲介で売るのが手取りを最大化しやすい王道です。

費用の目安は、業者に依頼した場合で一戸建て全体なら22万〜60万円以上。物量・搬出条件・特殊清掃の有無で大きく変わります。間取り別の相場、自分で片付ける場合との比較、業者選びの注意点は実家の片付け・遺品整理の費用相場と進め方にまとめているので、この方法を選ぶ場合はそちらを確認してください。

注意したいのは、片付け費用は「先払い」で、売れる保証とは無関係という点です。片付けに50万円かけても、家が売れるかどうか・いくらで売れるかは立地と物件次第です。売れにくい事情のある家(遠方・老朽化・再建築不可など)で先に片付けに投資するのは、順番として危うい場合があります。

方法② 残置物ごと買取で売る——片付けの手間と費用をゼロにする

不動産会社が直接買い取る「買取」では、残置物が残ったまま・現況のままで引き取られるケースが多くあります。処分は買い取った会社の側で行われ、その費用は実質的に買取価格に織り込まれる形です。

  • 片付けの手間・先払い費用がかからない
  • 内覧対応がなく、広告も出ないため近所に知られにくい
  • 数週間単位で引き渡しまで進みやすい

一方で、買取価格は仲介で売れた場合の相場より下がるのが一般的です。それでも、遺品整理費用・何度も通う交通費・売れるまでの固定資産税や管理の負担を差し引いて総額で比べると、物量の多い家・遠方の家ほど「残置物ごと買取」が現実的な答えになる場面があります。仲介と買取の仕組みの違いは不動産の「買取」と「仲介」の違いで詳しく解説しています。

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方法③ 契約条件で調整して売る——中間の落としどころ

「全部片付けてから仲介」と「残置物ごと買取」の間には、契約の工夫で残置物を処理する売り方もあります。

  • 撤去費用分を価格から調整する:残置物の処分費用の見積もりを取り、その分を売出価格に反映して「現況のまま」で売り出す方法。売主は現金を先に出さずに済みます
  • 残置物の所有権放棄を特約にする:「引き渡し時に残っている動産の所有権を放棄し、処分を買主に委ねる(処分費用の負担は契約で取り決める)」という特約を付ける実務があります。口約束ではなく、契約書に残すことがトラブル回避の要点です
  • 貴重品だけ確保して、残りは業者処分とセットで売る:形見と書類だけ家族で確保し、残置物の処分と売却をまとめて進める形です

なお、古い家を解体して土地として売る場合も、残置物を残したまま解体を頼むと処分費が上乗せされます(家庭ごみとしての処分より割高になりがちです)。解体を検討している場合は家の解体費用とあわせて、残置物をどちらで処分するかを見積もり段階で確認してください。

ゴミ屋敷状態の場合に追加で考えること

物量が多いだけでなく、生ごみや悪臭・害虫を伴う「ゴミ屋敷」状態の場合は、論点がいくつか増えます。

  • 放置のリスクが先に来る:悪臭・害虫・ねずみ、たばこや放火による火災リスクは、近隣トラブルや損害賠償に直結します。空き家であれば、管理状態がひどい場合に管理不全空家・特定空家として行政の指導・勧告の対象になり、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れます。放置した場合に起きることは空き家を放置するとどうなる?で解説しています
  • 自治体の「ゴミ屋敷条例」:堆積したごみへの指導・命令などを定めた条例を持つ自治体があります。内容も運用も自治体によって異なりますが、近隣から苦情が出ている状態なら、行政が動く前に自分で処理の道筋をつけるほうが選択肢を保てます
  • 特殊清掃が必要なケース:孤独死があった場合など、通常の片付けとは別に特殊清掃の費用がかかります。この場合は告知の要否という別の論点も生じるため、事情を隠さず不動産会社に伝えたうえで売り方を相談してください
  • 買い手側の受け皿はある:ゴミ屋敷状態の物件を現況のまま買い取る専門業者は存在します。「この状態では誰にも売れない」と抱え込む必要はありません
「片付けてから考える」より「売り方を決めてから片付ける」

ゴミ屋敷状態の家でまず片付けに着手すると、費用も気力も片付けだけで尽きがちです。順番を逆にして、残置物ごと売れる売り方があることを前提に、売り方を先に決めると、片付けにかけるべき費用の上限(=売り方の差額)が見えてきます。

売る前に必ずやること——捨てる前に「探す」、放棄するなら「触らない」

どの方法を選ぶ場合でも、先に押さえるべき注意点が2つあります。

  1. 貴重品と書類だけは確保する:権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、購入時の売買契約書、通帳・印鑑、遺言書(自筆の遺言書は開封せず家庭裁判所の検認が原則です)。残置物ごと売る場合も、ここだけは引き渡し前に家族で回収してください。探すべきものの詳細は遺品整理の記事にリストがあります
  2. 相続放棄を検討しているなら、家財に手をつけない:遺品の処分・売却が「相続財産の処分」とみなされ、相続放棄が認められなくなるおそれがあります(民法921条の単純承認)。放棄の可能性が残っているうちは、片付けも売却も動かさず、先に弁護士・司法書士へ相談してください。詳しくは相続放棄したら家はどうなるで解説しています

また、片付けを頼む場合の業者選びでは、家庭の家財の収集・運搬には市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可(または許可業者への委託)が必要という点だけは覚えておいてください。トラックで巡回する無許可の回収業者に頼むと、不法投棄などのトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

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片付け費用と売却価格、どちらの天秤が得かを確かめる

「片付けてから仲介」と「残置物ごと買取」のどちらが得かは、物件の売れやすさ・物量・実家までの距離で決まります。売れやすい家なら片付け費用をかける価値があり、売れにくい事情が重なる家ほど、費用を先払いせずまとめて手放すほうが傷が浅くなります。

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※本記事は2026年8月時点の情報をもとにした一般的な情報提供であり、個別の物件の査定・媒介や法務・税務のアドバイスを行うものではありません。遺品整理・残置物処分の費用は物件・物量・地域によって大きく異なります。ゴミ屋敷に関する条例の有無・内容は自治体によって異なります。具体的な判断にあたっては、不動産会社・弁護士・司法書士・自治体窓口などにご確認ください。

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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の物件の評価や税務・法務のアドバイスを行うものではありません。具体的な判断にあたっては、宅地建物取引業者などの専門家にご相談ください。